日中戦争において,日本軍は当時の中国の首都,南京を激戦のすえ攻略した.その際に発生したのが,いわゆる南京大虐殺事件である.なぜ起きたのか,その全貌はどのようなものだったのか,そしていま,わたしたちはどう考えるべきなのか.外国人史料を含めた史料群を博捜し,分析した著者が歴史をたどり,全体像を解きあかす.
南京事件論争史
笠原 十九司, 笠原十九司
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現代歴史学と南京事件
笠原 十九司, 吉田 裕, 笠原十九司
歴史教科書問題や戦後補償裁判を通じて発見された新資料を踏まえ、"国際法""性暴力""戦争の記憶"の観点から検証。南京事件研究の新展開を告げる気鋭の論集。
南京事件
南京事件の発端は、一人の軍人の自業自得がきっかけとなった。戦線不拡大派の中心・石原莞爾少将の失脚が南京進攻の直接の原因となるのだが、その失脚の原因が自ら種をまいた陸軍下剋上の風潮(中央や上層部の統制を無視して満州事変を主導し、その功績で石原自身が参謀部長に栄進した前歴がある)によるものだとは‥‥。食料や物資の補給も満足にないのに、戦果さえ上げてしまえばという安易な作戦は当然のように掠奪や殺戮を生み