书籍介绍
1968[1]文化 [編]四方田犬彦
前書きがストイックだ。「ノスタルジアと装われた無関心。いずれの立場をとるにしても、あの5年間に日本社会が潜り抜けた文化的体験を、言説として浮かび上がらせることはできない」
本書は1968年から72年までの政治の季節を振り返り、当時の文化状況をその空気感まで記録しようと試みる。編著者の四方田氏の峻厳な言葉からは、証言記録を残さなければならないという使命感が伝わる。美術や演劇、ファッションといった章立てで、執筆者はそれぞれ異なる。抑制された筆致で客観性が高くかつ情報が網羅され、当時を知らない私にとって大変勉強になった。しかし本書の最大の魅力とは、抑制のうちにもにじみ出る執筆者たちの当時への思いの強さであろう。私の知らないあの時代の熱量が残っているように感じられた。
評者:石原さくら
(週刊朝日 掲載)
内容紹介
1968~72年の5年間、映画、演劇、音楽、写真、舞踏などの領域で前衛的な実験が展開された。それら歴史的記憶を文化資料として甦らせる。写真資料満載。
内容(「BOOK」データベースより)
1968~72年は、世界の文化が同時性のもとに成立した歴史上はじめての瞬間であった。この5年間には、政治を表象する文化があったのではない。文化が政治的たらざるをえない状況が存在していたのだ。変革と実験の時代に、いったい何が起きていたのか?本書では、美術、演劇、舞踏、図像、映画、音楽、流行、写真の領域で生じていたさまざまな現象を前景化し、歴史的記憶として読者に差し出す。図版資料満載の超弩級評論集。